研究内容



 本研究室では、大きく分けて3つの分野について研究を行っています。

 大量のデータ処理や知的で高度な情報処理のためには、処理の高速化が必 須です。大町研究室では、大規模な処理を高速かつ効率的に行うための並列・分 散処理の研究を行っています。コンピュータの扱う情報量が増えると一台のマシ ンでは処理しきれなくなります。その一つの解決策が、処理を複数に分割して同 時進行で実行する並列・分散処理です。 この時、コンピュータ間でデータをやりとりする必要があるのですが、効率良く 処理するためには計算負荷と通信を適切に分散させる必要があります。本研究室 では、複数のコンピュータを超高速ネットワークに接続したコンピュータクラス タを用いて、最適負荷分散アルゴリズムの開発や人間の神経回路モデルの大規模 処理の実験を行っています。

 また、視覚等の人間の認知能力をコンピュータで実現するための研究とし て、写真や動画像中の人物や物体などを認識する研究も行っています。人間にとっ て簡単な文字認識やパターン認識といった処理は、コンピュータにとっては苦手 な処理なのです。 しかし、知能ロボットや自動制御システムには不可欠な技術であり、高精度化が 望まれています。本研究室では、個人認証として使われる顔画像の認識を始め、 映像中の物体認識、物体の追跡等の研究を行っています。

 人間の認識機構を解明するための脳の情報処理系のモデル化の研究も行っ ています。柔軟性に優れ、最も高速でかつ高性能な認識システムが何であるかと 考えた時、人間の脳に勝るものはないでしょう。人間などの生物の脳で行われて いる情報処理を模擬したシステムができれば、高速で柔軟性に優れた処理が実現 できると考えられます。 このように、生理学・心理学の分野で発見された事実を基に、脳の情報処理機構 の解明を目指してるのがニューラルネットワークという分野です。本研究室では、 視覚的注意のモデルや仮定と検証に基づく認識システム等、視覚情報処理系の数 理モデル化を中心として研究を進めています。



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研究テーマ

item 並列・分散処理
  • タスク割当てアルゴリズム
  • 特定のアルゴリズムの並列化
  • 並列処理アーキテクチャ
item パターン認識
  • 人間の顔の認識
  • 人物の高精度追跡
  • 文字・文書画像の認識
  • パターン認識手法と識別理論
item ニューラルネットワーク
  • 視覚情報処理機構のモデル化
  • ニューラルネットワークの工学的応用
field of research
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