研究内容

特徴の変換による高精度化

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 統計的アプローチの中に、データの 確率分布が正規分布であると考えて識別を行う 方法があります。正規分布とは右図のように平均を中心として左右対称な分布 です。正規分布を使う理由は、世の中の多くの分布が近似的に正規分布に従っ ていることと、数学的に扱いやすいことがあります。

 正規分布を仮定した手法はよく研究され、データが正規分布に従う場合は高 精度な認識ができることが知られています。しかし、実際には正規分布に従わ ないデータも数多く存在します。そのような正規分布に従わないデータを高精 度に認識するために、データから得られた特徴をあらかじめ正規分布に近づけ るように変換し、変換後の特徴を用いて認識を行うことで高精度化を達成する 手法を検討しています。

 どのような分布であっても正規分布に近づけることを可能にするために、指数型ベキ変換と呼ばれる変換を利用します。この変換は

で定義され、λの値により様々な変換を行うことができます。データに応じてλ の値を適切に定めることにより、観測データの特徴を正規分布に近づけ、認識性 能を向上させることに成功しました。

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