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文献の詳細

言語 日本語
著者 大町 真一郎, 阿曽 弘具
論文名 品質を考慮した印刷文字認識手法
論文誌名 情報処理学会論文誌
Vol. 38
No. 12
ページ pp.2490-2498
年月 1997年12月
要約 印刷文字認識において,認識率を下げる原因は読み取られた文字の品質に よって異なると考えられる. 具体的には,つぶれのある低品質の文字では文字パターンの形状が変わってしまい, 通常の文字パターンから特徴量を抽出して評価値を求める認識手法では誤認識を 起こしやすくなる. 一方,高品質文字の認識の場合の最大な難点としては,類似文字の識別が考えられる. 品質の悪い文字の場合は文字画像そのものを用い,つぶれの程度によって決まる 重みを用いた手法によって認識率が改善されるが,つぶれの少ない高品質の 文字に適用した場合は認識率改善の効果は薄く,時間の浪費につながる. また,高品質文字では部分パターンを用いた手法で類似文字識別が可能になるが, つぶれの多い文字ではその文字本来の特徴が得られず,効果的に働かない. このように異なる品質の文字を同様の手法で扱うことは非常に困難であるが, 現実には一つの実用的な認識システムに対して, 異なる品質の文字でも効率的かつ高精度に認識を行うことが要求されている. 本論文では以上の問題を解決するため,読み取られた文字の品質を判断して 品質に応じた手法を適用することで活字文字を効率的かつ高精度に 認識する新しいシステムを提案し,実験によりその有効性を示す.
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