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文献の詳細

言語 日本語
著者 大町 真一郎, 阿曽 弘具
論文名 低品質文字認識におけるつぶれを動的に補正する部分空間法
論文誌名 電子情報通信学会論文誌D-II
Vol. J82-D-II
No. 11
ページ pp.1930-1939
年月 1999年11月
要約 実用的な文字認識システムには低品質文字を高精度に認識することが不可欠である. しかし,現状のシステムではつぶれ等によって劣化した文字を扱った場合, 認識性能が極端に落ちることが避けられない. 本論文では,%低品質文字の認識に適したアルゴリズムを提案する. 複写やファクシミリによる転送等でつぶれが生じ, 劣化した低品質文字を対象とした認識手法を提案する. 劣化文字の認識率低下の原因は,文字の変形であると考えられる. パターンの多少の変形に強い手法として,部分空間法や複合類似度法 が知られている. これらの手法は訓練データから母集団の分布形状を推定し,分散の大きい 成分の影響を軽減することで高精度な認識を達成するものである. しかし,つぶれは偶発的なものであるため,訓練データを集めて統計的な 手法を用いただけでは対処しきれないと思われる. 本論文では,文字画像からつぶれた領域を抽出する方法を与え, つぶれが生じた場合にデータの分布がどのように変化するかを考察し, 未知入力画像から求まるつぶれに応じて部分空間法や複合類似度法で 用いられる固有値・固有ベクトルを動的に補正する方法を提案する. 更に,認識不能文字のリジェクト機能も考慮し,実用的な 低品質文字認識手法を提案する. そして,ファクシミリで転送して劣化した文字画像を用いた 認識実験により手法の有効性を確認する.
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